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「インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日」で旅した地図

インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日で旅した軌跡

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「インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日」の内容

本のタイプ 紀行
著者 中村 安希
タイトル インパラの朝―ユーラシア・アフリカ大陸684日 (集英社文庫)
テーマ
主な訪問国 中華人民共和国/ネパール/マレーシア/カンボジア/ミャンマー/インド/パキスタン/ウズベキスタン/トルクメニスタン/イラン・イスラム共和国/シリア・アラブ共和国/ヨルダン/イスラエル/イエメン/エチオピア/ジブチ/ケニア/ウガンダ/マラウイ/タンザニア/ザンビア/南アフリカ/ブルキナファソ/ガーナ/トーゴ/ベナン/ニジェール/セネガル/モーリタニア/西サハラ/ポルトガル/モロッコ/

インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日のブックレビュー

久しぶりに読んだ紀行文の王道中の王道。これぞ旅行記という本だった。そして敢えて言 うならば「深夜特急系」。こういう紀行文は少なくなってきていると感じていた。誰でもどこでも旅ができる世の中 で、そして、ネットで旅の記録を綴るという表現の場も増えた中で、「書籍」で紀行を楽し むということの素晴らしさを実感した。 内省的な著者の想いが、心に響いてくる。アジア、アフリカという過酷な環境下で遥しく 旅を「やりぬく」姿はサラリーマン戦士のようだった。 偽装?かどうか分りませんが旅人仲間と「結婚」をしてまでビザを取ろうとする。しかも入国後、即離婚。 笑ってしまうというか、呆れてしまうというか。しかも2回も偽装?結婚をした。 「やり抜く」ためには手段を選ばない。サラリーマンの鏡とも言える。そして旅を続ける中で彼女は苛み、行き詰まる。それは過酷な環境の中で物理的に旅を続ける困 難さというより、彼女の中の固定観念が崩れ、それとどう向き合うか折り合いを付ける困 難さと闘っていた。内省的の反動で、投げやりになり、すべてを受け入れるようになってくる。 自然の驚異と貧困と生身の人間すべてを受け入れて、折り合いが付ける。その時、著者は大地の上にすくっと立ち尽くす「インパラ」になったのだろう。 最後の地、ポルトガルで旅を終える。それは沢木耕太郎が事実上の旅を終えた地でもある。 大地の終わりと海の始まりであるロカ岬で彼女の胸に何が去来したのだろう。ロカ岬に立ち、沢木耕太郎と同じような感覚を覚えたのか。