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本のタイプ | 紀行 |
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著者 | 沢木 耕太郎 |
タイトル |
天涯〈2〉水は囁き 月は眠る (集英社文庫) |
テーマ | |
主な訪問国 | ギリシャ/イタリア/モナコ/カナダ/アメリカ合衆国/スイス/ドイツ/ジャマイカ/イギリス/スペイン/ポルトガル/ |
天涯2は天涯1に引き続き、沢木氏の写真と、それと微妙に距離を置いた文章で構成され ています。 効果的にさまざまな文人の文章を引用し、「移動」する感覚を読者に与えています。 記念写真とは違う、旅人の生の目線を強く感じるものでした。ジャマイカのマンデヴィルで少女が高台から遠くを眺める写真は特に印象深く、沢木氏の心の内がそこから透けて見え てきます。
天涯2にも巻末に短いエッセイが掲載されています。 沢木氏が子供の頃に読んだ志賀直哉氏の短編。 幼少期に読んだこの本の「幻影」がその後の沢木氏の作品、或いは、行動に影響を及ぼし ていた。 誰しも、こういった意識されない過去の記憶に実は縛られているのかもしれない。そして、それは些細なことかもしれない。 自分の行動には何らかの動機があり、その動機の裏には何らかの背景が潜んでいる。 沢木氏はそこに気付いた。非常に興味深い思索でした。 過去の記憶を辿る。そうすると今まで自分がとってきた行動、発言が過去の何かに影響さ れていることに気付く。 過去に向けた旅。そこには自分の未来も予測できるということなのだろうか。 自分自身に当てはめてみると、怖いことだけど、今まで僕が歩んできた道が、過去の何かに 影響されていることに気付くことがある。思考を過去に向けると、この先の「僕自身」 見えてくるのだろうか・・。