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文化人類学者として多くの国を訪れた著者が「学者」という鎧を脱ぎ捨て、かつて学者と して訪れた国や訪れる機会を逸した国々を「旅人」として叙情性豊かに綴った紀行短編集です。 訪れる国や街をおよそ学者とは思えない、感性豊かな表現と学者ならではの歴史的、文化 人類学的な記述を、「深み」に行くことなく巧みにこれらを織り交ぜた完成度の高い、かつ、読みやすい紀行文で す。短い文章ながら、いずれも最後に余韻が残ります。
まずは、著者の故郷、兵庫県の「揖保川」から始る。ここが原点であり、著者が掴むこと ができる絶対的な位置から、この本の旅が始まります。そして、様々な国へと流れていく。表から裏へ。街から場末へと。モロッコの古都マラケシュの混沌とした広場で未来を感じ、スペイン、アンダルシアの貧 村ミハスの英知。台湾、烏来の首狩習慣の根絶に関わる哀しい説話。奴隷社会から脱却し たハイチの現実。そしてモーリシャスの頂で地上から吹き上げる風を受けながら著者は原 点の「揖保川」を見たのか。或いは、永遠の旅人になることを覚悟したのだろうか。