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紀行地図紀行文庫 > いつかモイカ河の橋の上で―会社を休んで59日間地球一周

旅行記,紀行,ガイド:「いつかモイカ河の橋の上で―会社を休んで59日間地球一周 」|    データ項目の説明→

書名いつかモイカ河の橋の上で―会社を休んで59日間地球一周
いつかモイカ河の橋の上で―会社を休んで59日間地球一周
中野 吉宏
第三書館 (2004/09)
売り上げランキング: 726,945
著者中野 吉宏
書籍種類紀行
紀行の種類旅行記型
旅の種類鉄道
主要テーマ
主要訪問国ロシア
その他訪問国中国,ポーランド,イタリア,オーストリア,チェコ,スイス,アメリカ,イギリス
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「いつかモイカ河の橋の上で」|旅行記読書感想

感情(旅情)移入できる。

副題にある「会社を体んで59日間」という文言。これだけでも作者の置かれていた立場を リアルに想像でき、現実感たっぷりだ。冒頭に旅立つまでの経緯が少し書かれている。サ ラリーマンの私が感情(旅情?)移入できるのに十分だ。 この本は写真日記のような構成。すべてではありませんが、概ね左のページが写真。右の ページが文章という構成。多くの街、人との出会いを疑似体験できます。

「旅」を2次元から3次元。そして4次元へ。

以前、シベリア鉄道を題材にした旅行記 「シベリア鉄道9400キロ 」を読んだ。異なる時代背景で同じような旅程。時代の変化がよくわかる。同じ旅程でも異なった時代の旅行記を味わうことの楽し さを知りました。「文章」で2次元空間のおける「旅」を味わい、地図を描き、写真を眺め ることで3次元空間の「旅」を楽しむ。そして時代が異なる旅行記を味わうことで時間軸 が加わった4次元で旅を見つめる。「旅行記」の新しい楽しみ方です。

「交差」する旅人たち:イタリア「シエナ」にて

何冊か旅行記を読んでいると「旅程」が交差してくる。交差する瞬間が旅行記読書の醍醐 味の一つだ。同じ旅程でも移動手段、出会う人々、感じること、美しいと感じることなど、 あらゆるものが異なる。違った「目」で街を切り取ることで、街の姿がリアルになり、自 分が旅したような錯覚さえ覚える。一つの到達点だ。 この本ではイタリアの「シエナ」で交差した。無論、今までもサラッと交差することはあ ったが、作者の思い入れが強い「街」で交差することは稀有だ。で、シエナだ。私もシエ ナには少し思いいれがある。この「紀行地図」で最初に感想文を書いた本 「ヴォンジョールノ・イタリア」で著者 が拘っていた街だ。私の頭の中で広がるシエナの街並み。呼ばれているのか。シエナに。

「文明の発展」と「旅の醍醐味」の反比例

この旅行記は主に「鉄道」を移動手段としており、その様子がつぶさに表現されておりま す。シベリア鉄道や東欧の鉄道は日本の新幹線に比べとても「のんびり」しているようで す。時刻どおりに運行されない様は「いい加減」ではなく「良い加減」。のんびりした雰囲 気が「人と人が交わる」余裕を作り出す。新幹線や飛行機のような「文明の利器」は「所 要時間」と引き換えに「旅の醍醐味」を犠牲にした。想像以上に出会いが多かったこの旅 を著者はこのように分析しています。 そして、海外はガイドブックの写真を更にスケールアップした景色が次々と展開されるが、 日本ではガイドブックにある景勝地は局所的にしか存在しない。これも日本の現実だ。

終わらないでくれ・・

本当に多くの出会い。そして再会。著者が良い「旅人」であると同時に、一人の魅力ある「人間」であること が伺えます。 残りページ数が少なくなり、「もっと旅のつづきが読みたい!」と心の底から思いました。そういう本です。

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