残響

残響


横浜 馬車道 15:44

雨降ってるし。

地下のコンコースから表通りに出てきたら、相変わらず雨が降っていて、ついつい吐き捨ててしまう。空の切れ目から光の筋が薄く見えるけど、地上に突き刺すにはまだまだ力が足りない。仕方なく折り畳み傘を開いて、商店街を歩く。歩道の一部が煉瓦になり、どことなく異国情緒が漂う古い建物の威圧感を感じる。かつてこの道に馬車が行き交っていたのだろう。異人様を乗せた馬車が石畳の上を軽快に歩いていく。蹄の音の残響がいつまでも、ビルの間に木霊している。