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本のタイプ | 紀行 |
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著者 | 沢木 耕太郎 |
タイトル |
一号線を北上せよ<ヴェトナム街道編> (講談社文庫) |
テーマ | |
主な訪問国 | ベトナム/ポルトガル/スペイン/ |
当初、この本は「深夜特急」の続きのような旅行記と想像していましたが、それとはコ ンセプトが異なっています。 紀行文といったほうが正しいと思います。あとがきにもそう、記されています。 単に、アジアのある国を北へ向かってバスの旅・・というところも、あるにはありますが、 「深夜特急」を総括しつつ、旅の意味や生きる意味、移動する意味を白身に問う。当時の 過去を想いつつ、これらに折り合いをつけ、前に進む。「深夜特急」と決別するような、そ ういう意図を感じました。 短編の紀行文を編んだ構成でしたが、本題は「鬼火」という紀行文。 沢木耕太郎氏の代表作『壇』。これは作家壇一雄氏を題材にしたノンフィクション?です。 ある思いを抱き、檀氏の晩年の足跡を追う。何を見つけたかったのか。何を知りたかった のか。ポルトガルを彷徨する沢木氏。徐々に自分の行動の意味すら曖昧になっていく。沢 木氏は常に過去の自分の行動や執筆作品に潜む「残留物」は自分にとってどういった意味 があるのか、を自身に問い続ける「癖」があると思います。そして浮遊する檀氏を追い続 ける。浮遊する青白い炎=「鬼火」。鬼火は檀氏なのか、沢木氏自身なのか。