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【スペイン】 [サン・セバスチャン] [マドリッド] +サン・ヘロニモ修道院 [トレド] +エル・エスコリアル宮殿 [セゴビア] [マドリッド] +アトーチャ駅 【ポルトガル】 +マルバウン・ベイラ駅 [リスボン] +サンタ・アポロニア駅 +テージョ川 +ジェロニモス修道院 +海洋博物館 +コルメシオ広場 +アルファマ +アラゴン +シルヴェス +サグレス
本のタイプ | 紀行 |
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著者 | 司馬 遼太郎 |
タイトル | 街道をゆく〈23〉南蛮のみち2 (朝日文庫) |
テーマ | |
主な訪問国 | スペイン/ポルトガル/ |
「孤児」は国家として独特のアイデンティティを持っているという意で使っています。 この本の前半はスペインの栄枯盛衰、イスラム文化との融合について主に語られています。 無敵艦隊が敗北し、これ以降、転がるようにスペインは衰退していきます。「侵略、征服」 することで巨大な富を手にする(奪った)という一種のビジネスモデルが確立され、汗水流し て働くことは蔑まれた。これといった産業も生まれず、今日に至っているようです。ユダ ヤ人を追放するという当時の「流行」に乗ったことも拍車をかけているようです。このこ とがスペインがいまだ「中世ヨーロッパ」的な雰囲気を今でも色濃く残し、皮肉にも風光 明媚な景観を保ててていることになります。イスラムに征服され、イスラム文化の影響を強く受けたことが他ヨーロッパ文化と決定的 な違いを生んだ。具象(キリスト教)と抽象(イスラム文化)の融合。実際に自分の目で 確認したい。強く思いました。
隣に(当時)核弾頭を抱えたような国がいながら、ポルトガルが独立を保ってきたことに ついて不思議だと語っています。フランスとスペインはピレネー山脈により分断されてい ますが、ポルトガルとスペインは自然の「壁」は存在してない。何故か?
エンリケ航海王子の果たした役割、イエズス会との関係。日本に及ぼした影響の発端。ヨ ーロッパの最西端に誕生した1人が東のはずれの日本の歴史に多大な影響を与えた。歴史 ロマンというありふれた言葉しか思い浮かばない。 唯一(と言っては失礼ですが)、紀行情緒溢れるところが最後にあります。サグレス岬(ヨ ーロッパの突端)に立ち、旅を総括する。サブレスの石を拾い、再びサブレスの大地へ落 とす(戻す)し、旅を終えた。この地は沢木耕太郎の「深夜特急」で「旅を終える」こと を決断した場所でもあります。サグレスはそういう場所なんですね。