ステアリング

ステアリング


京王閣 16:04

憧れのシトロエンに偶然出会い、肢体を舐め回すように、執拗に眺める。クロームの鈍い輝きと、美しいオレンジ色のボディ。ウインドウから中を覗くとプラスティッキーなダッシュボードが、チープというより近未来的でアヴァンギャルド。オレンジ色のシートはアンコが一杯詰まったシトロエン独特のシート。そのシートの感触はシトロエン・ファンを虜にしてきた。ウインドウにキスをするように顔をぴったり付けて。初恋の人に久しぶりに出会ったような懐かしさと、憧れが交差する感覚。いつかそのステアリングを握って操りたい。