誓い

誓い


深大寺 14:14

深大寺の入り口に自転車を停めて参道のほうへ歩く。真っ青な空は秋空。木によってはすっかり色づいている。青空と黄色と赤い紅葉。なんともカラフルな景色だ。深大寺は小高い丘の斜面に建てられている。本堂で御参りをしたあと、裏手の、小高いところにある小さな境内へ目指す。

誰もいない小さな境内の前にお賽銭入れがあるだけ。格子状の木枠の間から覗くと仏像が安らかな顔でこちらを見ている。すぐ傍に灯篭があって、その間からちょうど格子が見える。面白い構図だなと思い小さい三脚をセットしシャッターを押す。その瞬間、すっと女性が目の前に立った。その女性はじっと格子の中の仏像を見ていた、あるいは凝視していた。拍手を打つでもなく、拝むわけでもなく、じっと立っている。頭の後ろに束ねた茶色い髪が微かに揺れ、震えている。声を押し殺しているような息づかい。祈りというより、誓いを立てているように見えた。気付くとファインダーの中には誰もいなかった。

元旦は祈らず、誓いを立ててみよう。