蘇る

蘇る


都下某所 14:20

背丈もあるような雑草をかき分けて川辺へと降りていく。雨が続いたせいもあり、もわっとした湿気が体全体を覆う。最初は気持ち悪かったけど、それは虫や爬虫類が出てきそうだったから、だけど、足に触れる雑草の感触や土の臭いを感じるたびに、闘争心にも似た高揚感が体の中から湧き上がってくるのを感じる。素足にクロックスを履いていたからそのまま川の中へ入る。まず、水の冷たさがつま先から脳天へ駆け上る。そして体の芯に向かって冷気がじわじわと伝わってくる。ぞの冷たさは僕のDNAが刺激して、懐かしさに似た何かが蘇ってくる。