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【中国】 [コルラ] [コンチェ] [敦煌]
本のタイプ | 紀行 |
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著者 | スヴェン・ヘディン |
タイトル | さまよえる湖 (中公文庫BIBLIO) |
テーマ | 探検 |
主な訪問国 | 中華人民共和国/ |
スヴェン・ヘディンの「さまよえる湖」は探検紀行の古典ともいえる作品であり、今日に至っても読み 継がれている名作です。
絶望的な状況下で自らが打ちたて「推測」が眼前に広がる。映画にでもなりそうなロマン 溢れる物語。
但し、この本には娯楽的要素は無い。あくまでも真実を黙々と、淡々と追い求める姿を描 いています。
「さまよえる湖」を発見する場面も淡々としている。喜び、泣き叫ぶ姿が描写されている わけでは無い。
常に冷静に状況を記録し、真実へ一歩一歩進む。
人生のすべてを自らの理論を証明することに賭けた。それが学者という職業なのか。
彼は 冒険者なのか、学者なのか。
学者と冒険者は対照的に見えましたが、本質的には同じ「職種」 に思えました。
真実を掴むためには手段を選ばない。ある時は情熱的に。あるときは冷徹に。
過酷な環境下においても冷静に判断を下し、突き進む。
当時の政治的状況もある時は追い 風に、あるときは障壁となる。
それでも前に進む。
学者としても優秀ですが、強力なリーダーシップを持っているからこそ得た成果だ。
そして「情熱」だけでも達成しえない。食料、燃料といた装備や案内人の手配。政府との交渉。 優れた政治力、マネージメントカがあってのことだ。
次のスヴェン・ヘディンは言葉が印象深い。
「未知なる旅に必要な食料、燃料、水。しかし、もうひとつ、これが無いとその他ものが 全く意味をなさなくなるものがある。それは忍耐だ。」