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【イギリス】 [ロンドン] [リバプール]【アイルランド】 [ダブリン] +タブリン空港 +ザ・グレシャム・ホテル +オコンネル通り +ジョイスの砲台
本のタイプ | 紀行 |
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著者 | 司馬 遼太郎 |
タイトル |
街道をゆく 30 愛蘭土紀行I (朝日文庫) |
テーマ | |
主な訪問国 | イギリス/アイルランド/ |
アイルランドを主題とした紀行ですが、本の三分の二がイギリスとの関係史に割かれてい ます。よってなかなかリバプールからアイルランドヘは向かいません。司馬遼太郎氏の紀 行の特徴で、なかなか先には進みません(笑)。 氏の紀行はその国だけに焦点を当てるのではなく、その国と関係のある国、関連する要素 を掘りここし、そして、その国を浮かび上がらせるという版画の世界のような手法。周り から削り、徐々に目的物を浮かび上がらせるようだ。 特にアイルランドを語るにはイギリス及びプロテスタントから派生する英国国教会を抜き にしては語れません。リバプールには多くのアイリッシュが住んでします。そこでアイルランドとの関係をその 場の空気や実体(リバプールにはカトリックの大聖堂と英国国教会の大聖堂が並ぶように 丘の上に建っている)を実感したいという意図が伝わってきます。
アイルランドは多くの文化人、特に文学者を輩出しています。また、アイルランド出身、 アイルランドを出た、他国へ移住した人々も多く、アイルランドに住む人口より、はるか に多い人々が国外に移住しています。特に米国に多いようで、アイルランド出身の政治家、 著名人も多数いらっしやるようです。
この本ではビートルズと作家のジェイムス・ジョイスについて その生い立ち、特にジョイスにあたっては、アイルランドでしか生まれ得ない人物として評し、 最大限の敬意を表しています。だから、アイルランドに降り立ち、最初に訪れたのが、ジョイスが 住んでいたとされた「ジョイスの砲台」だった。