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本のタイプ | 紀行 |
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著者 | ジャック・ケルアック |
タイトル |
オン・ザ・ロード (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-1) |
テーマ | |
主な訪問国 | アメリカ合衆国/ |
「Load」と「Beat」。この2語がすべてだった。 二人は常に「路上」に立ち打ちひしがれて いた。ただ留まることなく、前へと進む。何かに追われているように進む。サルはディー ンから追われる恐怖から逃れるように、一方で、ディーンに追ってもらいたいという意志 も感じられる。ディーンも追われていた。そしてサルを追った。この物語はサルの目線で 書かれている。そう。ディーンは酔狂な旅人、サルは記縁者なのだ。旅人、松尾芭蕉と記 録者、河合曽良のそれと、そして、紀行文と私の関係。運命的なものを感じざるを得ません。 ビート・ジェネレーションという言葉に象徴されるように、彼らと、彼らを取り巻く人々、 そして彼らが存在していた時代のアメリカは打ちひしがれていた。端的に言うと「疲れて」 いた。この疲弊感がこの時代を象徴しており、歴史的背景を正確に表現した歴史書と捉えるこ ともできる。なぜなら彼らは超現実な世界に身を投じたからだ。逃げも隠れもしない。こういう時代背景の中、この本は生まれるべくして生まれ、この本がビート・ジェネレー ションという「概念」から「実体」を作り上げた。この「実体」たちが現在のアメリカの根底を作 り、隠喩する言葉が時代と共に変わっていくが、今日のアメリカの根っこを形成している に違いない。