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本のタイプ | 紀行 |
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著者 | アリエル ドーフマン |
タイトル | 世界で最も乾いた土地―北部チリ、作家が辿る砂漠の記憶 (ナショナルジオグラフィック・ディレクションズ) |
テーマ | |
主な訪問国 | チリ/ |
この「旅」は著者の友人の「ある真実」を掴むためのもの。 著者は友人の身に降りかかった事象に直接的に手を仲ばすことはせず、時代背景や人物関 係をたぐりよせながら、徐々に核心へと近づいていく。 しかし、真実に近づいていくにつれ、著者が少なからず動揺していく様が静かに描かれて いる。 真実の場所に立ち、そして想う。友人は「その瞬間」に何を思い、何を見て、何を匂った のか・・。五感を通し、友人のすべてを体内に取り込み、同化したように見えた。 しかし「物理的」な証跡を手中にすることは叶わなかった。 エピローグで著者は旅の総括を行う。そして積年の苦悩と折り合いをつけた。 深い思索の末の結論。胸を掻き毟られるような複雑な思いで僕は一杯になった。 言葉にできない深い感銘を受けた本でした。