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紀行地図紀行文庫 > マラケシュの声―ある旅のあとの断想

旅行記,紀行,ガイド:「マラケシュの声―ある旅のあとの断想 」|    データ項目の説明→

書名マラケシュの声―ある旅のあとの断想
マラケシュの声―ある旅のあとの断想
エリアス カネッティ Elias Canetti 岩田 行一
法政大学出版局 (2004/12)
売り上げランキング: 200,911
著者エリアス カネッティ
書籍種類紀行
紀行の種類旅行記型
旅の種類-
主要テーマ
主要訪問国モロッコ
その他訪問国
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「マラケシュの声―ある旅のあとの断想」|旅行記読書感想

ヤバイ。分からない。

作者はノーベル文学賞受賞のエリアス・カネッティ。副題は「ある旅のあとの断想」。本の 帯には「紀行文学的文明諭」。旅行記の装丁は旅情をそそるような写真や絵があるのが普通 だ。が、この本は殺風景で大学の教科書みたいだ。これだけでも体と頭が硬直する。「断想」 って何?「紀行文学的文明論」ってナニナニ?
いつもと違う気持ちでページをめくりました。淡々と進むなか、途中から「何が言いたい の?」という思いが頭の中をよぎる。「このまま、わからないまま終わってしまうのでは」 という焦りも出てきた。ヤバイ。意味が分からない・・。

「読解できない」トラウマの出現。

私は理科系出身。今で言うセンター試験で国語の出来がボーダーラインに届くかどうかの 鍵となっていた。当時1教科200点満点。100点を超えるなんてほとんど無かった。 父親が90点という得点をみて言った「なかなか頑張っているじやないか」。確かに1 0 0 点満点って思うだろう。普通は。

国語は駄目だ。読解できない。というトラウマが今に至っている。本なんぞ読まない私が 旅行記、紀行文の楽しさを知り、生まれて今に至るまでの読書数の90%以上をここ1, 2年に読んでいる。所謂、活字中毒だ。 もう、どんな本でも読めるぞ。そう思った。で、この有様だ。

このまま引き下がるわけにはいかない。

最初の30ページくらいで、一旦読むのを止め、ネットで書評サイトや、ブログで知り合 った方の感想を読んだ。いろいろ手がかりはあった。

■「何が言いたいのか・・ではなく何を感じるか・・がポイントです。」・・・う−ん、なるほど。
■「この本を読んで、マラケシュに行きました!」・・え−。そうなんだ。行きたいって思う んだ。

 「マラケシュの声」と聞いて、どこかで目にしたことがあるなぁと思ってました。そうい えば・・。愛読雑誌「Coyote」は毎回のテーマに関わる書籍を紹介している。かなりディ ープな書籍を毎回紹介している。そういえば、このコーナーで見たかも。発刊された12 冊を引っ張り出し、調べると。。あった!N0.8の「深夜特急」特集だ。そうなんです。沢木 耕太郎氏が「旅に行きたくなる16冊の本」と題し、紹介しているのです!

「深夜特急」はこの本をお手本にしようとした。

沢木耕太郎氏は「深夜特急」の題材となっているロンドンまでの旅の途中、インドで知り 合った方からこの本を紹介され、日本から取り寄せたようです。「この本のスタイルのよう な紀行を書こう」と考え、旅の途中で短文形式の紀行を書き綴っていったようです。最終 的には諦め「日記と記憶をたどる」形式にしたそうです。 またこの本をこう評してます。
「この本は何も具体的に起きてはいない」「彼はこの街を描いてみたい」 「音を通して」
なんとなく分かってきました。

私は
■「旅行記は特別な出来事が書かれている」
■「文学的要素があると考え、ひとつひとつの表現に何か特別な意味や象徴性がある」
という前提に立って読んでました。

読書再開。そして、見えた。かな。

文章をありまま受け入れ、完全に作者の目線で文章を「水を飲むように」読みました。そ うすると、音だけが聞こえるラジオドラマを聴いているような、錯覚かもしれませんが、 そういう「気分」になりました。
頭の中は漆黒。その中で「音」がする。すると、ぱっと 映像が出てきて、消える。そしてまた別の音。その繰り返し。大きなスクリーンに14個 の映像(断想)が並び、同時に流れ、それを遠くから眺めている。エンドレスに流れる映 像を眺めるうちに「マラケシュの旅」がはじめて現れてきた。

あ−。やっと見ることがで きた。マラケシュが。

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