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本のタイプ | 紀行 |
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著者 | 司馬 遼太郎 |
タイトル |
街道をゆく〈31〉愛蘭土紀行 2 (朝日文芸文庫) |
テーマ | |
主な訪問国 | アイルランド/ |
ようやく2巻目でアイルランドの話題が中心となりました。1巻目でイギリスとの関係に ついて多く語った意味が分かってきます。 アイルランドが生んだ作家、詩人がどのようにして世に登場したか。アイルランドの文学 作品が、かくも劇的であるのは何故か。 この巻はイギリスからの「収奪」、「支配」そして、カトリックを守り通す頑強さ、加えて アイルランド独特の地理的風土といった要素がアイルランド文学に強く影響し、優れた作 家、或いは傑作が生まれるべくして生まれた。アイルランド文学への影響というより、ア イルランド人の気質に影響を及ぼした。ということを司馬さんの視点で描いています。 アイルランドは(今はわかりませんが)親日国。歴史的に直接、日本とアイルランドが濃 厚に絡み合ったという史実は私は知りませんが、少なくとも、「憎き」英国に牙を向き、争 った(第2次世界大戦)。ということで「親日」。「同志」。 なんともいえませんが、ストレートでは無いところも典型的なアイルランド気質のようで す。プロテスタンティズムにより世界は近代化への勢いが増した。そして頑なにプロテスタントを 拒んだアイルランド。合理主義化を捨て、文学を選択した。司馬氏は「世界は分業化」しつつ あると表現している。確かに。どの国も経済的に栄えるところを目指すことは無い。 組織世界は適材適所が必要と言われている今日。この世界も分業という考えがあっても いい。アイルランドは「文学」担当の国ということでいいのでは? じゃあ、日本は?と問われると、果たして何があるのだろうか・・・。