紀行地図 > 紀行文庫 > シシリアン・オデッセイ―地中海の十字路、眩惑の島
旅行記,紀行,ガイド:「シシリアン・オデッセイ―地中海の十字路、眩惑の島 」| データ項目の説明→
| 書名 | シシリアン・オデッセイ―地中海の十字路、眩惑の島 |
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|---|---|---|---|---|
| 著者 | フランシーン プローズ | |||
| 書籍種類 | 紀行 | |||
| 紀行の種類 | 紀行文学 | |||
| 旅の種類 | - | |||
| 主要テーマ | 歴史 | |||
| 主要訪問国 | イタリア | |||
| その他訪問国 | イタリア(シチリア) | |||
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「シシリアン・オデッセイ―地中海の十字路、眩惑の島」|紀行読書感想
シチリアヘの旅が著者へもたらしたものは?
シチリアヘ惹かれ、その地へ降り立った著者。
著者はシチリアにおける古代から現代の時空を放浪した。
シチリアに惹きつけられるのは何故か。シチリアの人々は何故シチリアを愛し続けるのか。
様々な角度からシチリアを眺め、自身の立ち位置、生きる目的を求めているように彷徨い
続けているように思えた。
「美は暴力に、そして生は死に負けないという真実を見つけるために」
そう著者は語る。
一見すると異なる概念の比較或いは、矛盾を含んだ言葉に感じます。し
かし過去の歴史を紐解きつつ、シチリアの風俗、風習を自らの足で赴き、眼で見、舌で味
わい、心に去来するあり様を端的に表現した文章から、シチリアの残像と著者が語った「言
葉の意味」がぼんやりと浮かび上がってきます。
シチリアの開放性と閉塞性
私たちから見れば、アメリカ人は開放的で、快活(底抜けに)・・とこの手の言葉を挙げれば
きりが無い。
しかし、アメリカ人である著者は、シチリア人のような屈託の無いコミュニ
ケーションは取れないし、自身だけではなく、これはアメリカ人全体に言えると。
激烈で中途半端なことはしない。だから個人の領域にズカズカと入り込む。アメリカ人は
「プライバシー」ということを極端に意識する。だから、シチリアの人々のようにはなれ
ないと。
一方で、観光客が来ないような場所へ行くと熱心に建物や歴史について説明してくれる。
人々は自分が歴史に強く結びついていると思っている。プライバシーも自由も経済的な身
軽さもない社会と歴史の中で生きて行かなければならない埋め合わせとして連続する社会
の一員であるというプライドと安心感を持てる・・と著者は分析しています。国家の歴史
の深さによるものなのでしょうか。
敗北の歴史と多様性
後半部分はかなり「食」について多く語っています。読んでいるだけで、食指をそそる。
素朴でシンプル。一方で、多彩なメニュー。
イタリアは何を食べても旨いね。という表面的な評価はシチリアでは通用しない。
シチリアという島に対して美しく、幻想的なイメージがあるのか、数多くの侵略を受けた。
シチリアの歴史は敗北の歴史と言ってもいい。この他国からの侵略、収奪の歴史がさまざ
まな食文化を持ち込み、多彩な昧を作り上げた。類をみない文化は得てしてこういった収
奪、侵略の歴史から生まれるという事実は他国でも言えることだ。
「芸術を生み出すことを止めてはならない」
シチリアの小島にある博物館の塑像を前に
して、発したこの言葉で旅を締めくくった。











